5.1. 生物学と社会 : 自然のナノテクノロジー
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物質を分子サイズで制御する
こうした小さなサイズの素子を設計するときに、研究者はしばしば生きた細胞から着想を得る 細胞は休むことなく多くの機能を効率的に実効する1つの機械と考えることができるから
1つの例として、細胞に基礎を置いたナノテクノロジーを考える
細胞の3つの動きとの関係を見る
生命現象はすべてエネルギーに依存している
コーネル大学の研究者たちは、ヒトの精子のエネルギー産生能力を利用しようと試みている 精子は他の細胞と同様、細胞膜を通過した糖や他の分子を分解してエネルギーを得ている 解糖系ではグルコースを分解することで放出されるエネルギーが、ATP分子の合成に使われる 生きている精子の内部では解糖系と他の過程で産生されたATPが、精子に女性の卵管を進んでいく際のエネルギーを供給している この精子のエネルギー産生システムを利用する試みとしてコーネル大学の研究者たちは解糖系にかかわる3つの酵素をコンピュータチップにつないだ
酵素はこのような人工的な系においても機能し続けた
この結果は、もっと数の多い酵素の組み合わせも、いつかは微細なロボットに使えるかもしれないという希望を抱かせる
ナノレベルのロボットは、血流中のグルコースを使って、体の組織に薬を届けることができるかもしれない
本章では、細胞のナノテクノロジーとして3つのテーマに焦点